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21世紀の教育をめざして・・・

21世紀の教育をめざして・・・

新・新年度指導その1

1.新年度の最初の2週間の指導

(■HPの日記「学級だより」「今日のできごと」、☆メールマガジン「子ども日記」。
 □の中は、菊池の補足説明。)

■平成16年4月6日
とうとう明日が始業式です。始まります。
少しずつ緊張してきました。いいことです。

何をどう話すのか、
1年間の見通しの中で考えています。
久しぶりに「緻密」な取り組みを重視する1年間になりそうです。

◎子ども達の実態からのんびりとできないことが分っていた。
最初のスタートが特に重要であると考えていた。
個人個人に対応するのではなく、
全体をキチンと動かす必要がまず重要であると判断していた。
「わがまま」に育てられてきているはずであるから、
そのような「個=私」を否定して「全体=公」を確立させることをまず考えた。

ここ数日、いろいろ勉強しました。
そろそろ「これで」と決めようかと思っています。

この「学級だより」も「6年1組」から「○年○組」に変わります。
明日はビシッと行きたいものです

【子ども達について、聞いていたこと・担任する前に知っていたこと】
・数名の男子が授業を妨害する。
・女子の数名がルールを無視した行動を行う。
・1、2年生の時はよかった。
・しまりのない学年。
・学校行事を行っても1番だらしのない行動しかできない学年。

■平成16年4月7日
5年1組がスタートしました。32人の子ども達とのスタートです。

体育館で「担任発表」がありました。新鮮な気持ちで子ども達と会うことのできる日でした。
校長先生に名前を呼ばれて5年1組の前に立ちました。
子ども達との初めての出会いです。32人の視線をあびます。

「先生なんだなぁ」と今さらながら実感しました・・・。
とてもうれしい時でした。1年の始まりですから。

初めて出会う子ども達は、とてもかわいかったです。
「吸収力」が素晴らしいと思いました。それだけ素直なのでしょう。
素直な子どもは伸びていきますから、この1年間が楽しみです。

◎香月の子ども達は、全体的には「素直」である。100%素晴らしい素直さではないが・・・。
「みんなはとても素直である」「素直な人が成長する」と子ども達にも本気で伝えた。
ある種のピグマリオン効果をねらっていた。

今日という日のために、「何をどう話すか」を考えていました。
数日前まで、自信と不安が入り混じっていました。

一人の男の子と目が合いました。
にっこりとその子がしました。自然に見せるきれいな表情でした。
その子に微笑みかえしながら、「大丈夫だ」と安心しました。

明日から、子ども達に会えるのがうれしいです。
素晴らしい子ども達と出会えたことは「お祝い」です。

担任発表の後、5年生の教室に連れて行く前に、5年生全員を体育館から視聴覚室に移動させました。
そこで話したことは、
・とても素直な5年生63人だと前の担任の先生からも聞いています。
・そのようなみんなと出会えて、先生達もとても喜んでいます。よろしくお願いします。
・菊池先生と江崎先生はとても仲良しです。みんなのことをもっとよくしようと思っています。

・(「黄金の3日間」の話をし)最初が大切であす。今の新鮮な気持ちを大切にして、先生達が話すこと、当然5年生ならしなければならないことをキチンとしていきましょう。
・先生達が叱る時は「3つ」あります。その「3つ」をしないと約束できますか?
・5年生になったのですから少し厳しく接することもあります。大丈夫ですか?
以上の話をした後に、
「『3つ』の約束と少しぐらいの厳しさにもがんばっていく、という人だけ教室に行きます。
 『大丈夫だ。がんばる。』という人は手を挙げなさい。」
と聞き、全員の手が挙がったことを確認しました。
そして、
『素晴らしい。今のその気持ちがあれば大丈夫でしょう。
でも、念には念を入れたいので、もう1度聞きます。
 約束を守って5年生らしい考えを持ち、それを行動で表すというやる気があり、5年生の教室に行ってがんばろうという人は、立ちなさい。』
と言うと、全員がスッと立ちました。
『では、5年生の教室に行きましょう。』
こう言うと、子ども達は視聴覚室の出口へと歩き始めました。
途中、
『するといったのにしない人、つまり、約束を破る人のことを何というの?』
「うそつき」
『そうですね。うそつきといいますね。1番人から嫌われる人ですね。
 うそつきにならないようにこれからがんばっていきましょうね。』
全員に聞こえるように話しました。

◎高学年である。学年で動くことが多くなる。子ども達にも、
 ・学年みんなで成長するのだ。
 ・そのために必用な考え方、ルールがあるのだ。
ということを全員に確認、約束させておくことが必用である。
後で解釈がずれることがないようにしなければならない。
最初にキチンと話しておくことは、子ども達との「戦い」に負けないように「先手」を打ったこ
とにもなる。
「あの時に、みんなで約束したよね」
という1言でケリがつくようになるのである。
(時々、甘えた「お子様」が、多くは母親と一緒に「文句」を言ってくる場合があるが、
 ほとんどの子どもは理解できるはずである。)

教室に入って、今度は32人の子ども達に、
これから1年間をより素晴らしくするためにいろいろ話しました。
また、そのために明日からの小さな取り組みをいくつか仕組みました。
一つひとつに素直に耳を傾けて子ども達は聞いていました。
「今までで、1番よいクラスにするからね。それだけは約束するね」
と話しました。

◎子ども達の始業式の1番の関心は、「担任は誰か。どんな先生か」である。
 担任の指導の方向を伝え、「安心」を与えることが大切である。

■平成16年4月8日
黄金の3日間の2日目でした。
少しずつ、「行為」が変わってきました。

まだまだめざしたい行為像ではありませんが、子ども達はがんばっています。
・朝のあいさつ
・いくつかの朝のメッセージにたいする行動
・朝自習の態度
・指示に対する反応
・「価値ある話」対する理解の表情
・立候補への力強さ
などは、少しずつ変化をしているようです。

授業を通して得るもの=学力・学び方が身についてくると、
もう少し伸びがよくなるだろうと思っています。

明日は、入学式準備で作業があります。
事前と事後の指導を明確にしておこうと考えています。

◎「どんな子どもを育てたいか?」と聞かれたら、「自分で行動、学ぶ子」と答えるであろう。
 始業式後の2日間でも、その具体的な行為として、
・自分からあいさつをする
・自分からしなければいけないことをする
・自分から話を聞く
ということを徹底させようと考えていた。
「心の教育」というスローガンで終わらないように、
心の表れとしての「行為」を鍛えるように考えている。それも「自分から」である。

☆MM子ども日記
昨日の帰りに、今日の朝の宿題を出していました。それは、
「朝、先生のところに来て次のようにあいさつをすること。」
というものでした。具体的には、
・自分からあいさつをする
・名札を手で隠し、「私は誰でしょう」と先生に聞く
・先生が名前を当てたら(?)握手をする
といった内容です。このような宿題を出したのは、自分からあいさつのできる子
どもになってほしいという思いと、楽しいコミュニケーションをとりたいという
思いが、私の方にあるからです。

今日は、いつもより少し早く学校に行き、そのまま教室に入りました。
クラスが誕生して2日目の朝。緊張気味に座っている子どももいました・・・。

子ども達が、私の前にやってきました。
「菊池先生、おはようございます」
『おはようございます』
「私の名前はなんでしょう?」
宿題で出したとおりに子どもが言いました。小さなおとなしそうな女の子です。
名札が見えないように隠しています。何人かが、周りに来て私とその女の子の様
子を見ています。

『う~ん、誰だったかなぁ・・・・』
(先生は、名前を覚えてくれているのかな?)
そんな思いでその女の子も周りも見ていました・・・。私達を覗き込むようにし
ている子どももいました。
『・・・・加護ちゃん!』
その子もみんなも、ドッと笑いました。
「ち、違います!」
『違う? でも、・・・ミニモニの一人だよね?』
「ち、違います。何で?」
『そうかなぁ、モーニング娘にいなかったっけ? おかしいなぁ』

教室の中がにぎやかになってきました。
「あはは、先生、違うよ。加護ちゃんがいるわけないじゃない!」
「おもしろい!よく知っているね」
・・・・・・・・・・みんな笑顔です。名札を隠している女の子も笑っています。

『分かった。○○○○さん』
「そうです」
握手をしました。小さな手でした。

授業が始まるまで、
「おはようございます」
「私は誰でしょう」
と続きました。楽しい朝の時間でした。

◎厳しさの中にもユーモアは必要である。
 このバランスが崩れると教室の雰囲気が悪くなる。
 学級経営は、子供同士のつながりと教師と子どものつながりを築くことであるならば、教師のタテのルールを教える指導とユーモアのある接し方の両面が必要であろう。
もう少し言うなら、
・M・・・母性
・F・・・父性
・C・・・子ども
の3つである。ユーモアは「C」である。

■平成16年4月9日
黄金の3日間の最終日でした。いくつかの「おもしろいこと」がありました。

朝の教室で、小さな「逆転現象」がありました。
教室の電気をつける、という行為を(おそらく)1番気になる子どもがしたのです。
詳しくは書きませんが、パッと行動したのがA君でした。
1番気になると言われていた子どもでした。

◎このA児のことを全担任は、職員会議の席でも「悪い」とことあるごとに話していた。
当然、子ども達も保護者もそのような目でA児を見ていた。
このままでは、A児だけではなく学級も育たない。

このように生活面でも学習場面でも「逆転現象」をたくさん生み出し、子ども達のレベルの低い人間関
係を壊していかなければならない。
そのために、
・子どもをよく見る
・逆転現象を生むように仕掛ける
といったことが大切である。
このころ学級のみんなの前で(A児に)よく言った言葉は、
・先生はA児が大好きです。
・A児は必ず今以上によくなる。先生は断言できる。


国語の教科書を読みました。家で読んできている子もいました。ほめました。
「どうかな?」と思いましたが、指名なし音読をしました。3回しました。
「自分から」ということを「授業」の中でしたかったので、最初の時間にしたのです。その後に感想を書かせました。
最初にしては「合格」でした。が、基礎的な学力は不足しています。
そのあたりを5月中旬までの間に鍛えたいものです。計画を立てます。

◎新学期最初は、給食の関係もあり午前中授業が多い。そして、その後は家庭訪問、GW、運動会の練習と続く。この時期をどう使うかがポイントである。時間的にも十分あるからである。
・基礎的な学力をつける(音読、漢字、計算)
・学年、学級のルールを確立する
この2点を意識して進めるべきである。
その学年の学習をしながら、前年度までの不足分を補っていくのである。
新年度は子ども達もやる気になっている、この時期を、
「今度の子ども達はいい子」「今年は大変だ」・・・・
などと「感想」ばかりを言い合っていても子ども達は何も変わらない。逆に、貴重な時間をなくすだけである。

◎この時期の子ども達の学力はとても低かった。前担任の「職員室での理想論」で何かあったときに進んでいくと危険なので、同学年の先生にも、
「最初の漢字テストと計算テストの点数は控えていてください。現物のテストも。前学年で『何もしていない』という事実の証拠になりますから」
と伝えていた。
つまり、子どもの事実をかたらないで「印象」だけでお話をする人もいるのである。
そのような人と戦うには、具体的な子どもの事実が必要なのである。

1年生の教室の大掃除をしました。
最初に5年生全員を視聴覚室に集めて話をしました。
「何のためにここに来たのか」
と質問しました。何人か手を挙げて言いました。全員×でした。
このHPの掲示板に、一人の女の子が書き込みをしています。

「菊池先生、とうとう「黄金の三日間」の最後になってしまいました。
 今日の「自分をみがくため」の掃除で、自分をしっかりみがけました。
 これからもがんばります。」

この書き込みからなんとなくそのときの話が分かるのではないでしょうか・・・。
掃除の動きはまだまだですが、
自分の成長のためにがんばろうとしている子どもが多かったです。

少しずつ、望ましい「行為」が取れるようになってきている気がします・・・。

◎このように「何のために~をするのか」と一つ一つの取り組みのたびに問い続けた。
 「キレイごと」を言わせないためである。「ちょびっと賢い」子どもの無責任な言動に引っ掻き回されないためである。

ほとんどの子どもは、この問いに答えられない。
「自分の成長のため」という考え方をしたことがないのであろう。
「物事の責任は自分にある」と教えなければいけない。
わがままな子どもほど、「○○くんが・・・・」「なぜ、先生は僕ばっかり・・・」と責任が「外」にあると考えてこのようなことを口にしたり考えたりするものである。

☆MM子ども日記
『何か、気になることはありませんか?』
朝の教室で、私が子ども達に言いました。昨日と同じで、少し早く私は教室に行
きました。登校していた子ども達は、電気をつけていない薄暗い教室の中にいま
した。そこでの私の一言でした。

「?」
子ども達は、私の言っていることの意味が分からず、きょとんとしていました・・・。
不思議そうに私を見ていました。少し時間が過ぎました。

A君が、視線を私から教室入り口のスイッチに動かしました。気づいたのです。
(自分勝手なところが多く、少し気になります。
トラブルを起こすことが多くて・・)
と、4年生の時の担任の先生から聞いていた男の子です。A君は、みんなの中を
スッと移動してそこに行き、電気をつけました。

『さすが、A君だ。A君をみんなで、ほめてあげましょう』
こう言って拍手をおくりました。A君はほほを少し赤くしていました。
私は、続けて、
『全員起立。A君がしたように、「行ったらいいなぁ」ということを見つけて、先
生がやめなさいというまでそれらをしてごらん』
と指示しました。子ども達は、動き始めました。

教室の中のごみを拾う子、廊下の窓を開ける子、掃除道具入れの中を整頓する子、
押しピンの取れかかっているのを直す子、黒板をきれいに消す子、提出物をきれ
いに整える子、・・・・・・・。

数分後、
『今の気持ちを聞きますね。自分からよいことをしたので気持ちがいい人?』
全員を席に座らせて聞きました。32人がサッと手を挙げました。それを確認し
た後、
『みんなのために自分のできることをすると気持ちがいいですね。そのような力
がみんなにはあるのですから、その力を行動で示しましょう。そのことを、A
君が教えてくれました。もう1度、A君に大きな拍手をおくりましょう』
と話しました。A君もみんなも明るい表情になっていました。

新学期の3日目。朝からとても気持ちのいいスタートとなりました。

■平成16年4月10日
月曜日が入学式で5年生は「休み」です。

その日の昼から、いくつか「物」を作る準備をします。
・似顔絵
・係のポスター
・学級目標
・学期目標
・読書記録
などです。火曜日から時間を見つけて作らせます。
子ども達の「動き」をよりよくするためです。

また、給食、掃除、委員会活動と本年度初めてのことが出てきますから、
その細かい内容を決めて理解させなければなりません。その計画もたてます。

3日間は終わりましたが、進級して初めてのことは多いのですから、
一つひとつ確認しながら進めていかなければなりません。

☆MM子ども日記
国語の時間に音読の学習をしました。
読めない文字をなくした後で、
『先生は、指名をしません。自分から立って1文ずつ読んでいきます。1人1文
 です。誰かが1文読んだら、次の人が立って次の1文を読みます。全員が、1
 文ずつ自分から立って次々と読むのです』
と、読み方の説明をしました。「自分から立って読む」というところがポイント
です。指名されて読むのと、自分から立って読むのとでは、緊張感が違います。
「1歩前に出る勇気」を必要とします。

教室の中心に机を向けさせて、お互いが見えるようにして始めました。
私は、教室の後ろに立ち、子どもが私を気にしないですむようにしました。

元気のいい男の子が、最初に立ち上がり読み始めました。2人目に女の子が立ち
ました。そして、3人目の男の子が・・・。全員が1人の読み声を集中して聞い
ていました。
「いつ立とうか」「次は、誰が立つのだろう」・・そんな顔をして、不安そうに
している子どももいました。教室の中に緊張感が生まれてきました。

10人ほどが1文ずつ読み終えた時、少し間が空きました・・。誰も立たないの
です。まだ読んでいない子は、教科書をじっと見ながら、「立とうか立つまいか」
迷っているようでした。読み終えた子どもも、「次は誰か」と思っているのか、
ジッとしていました・・・。

(「ここで」自分から立って続きを読むのは勇気がいります。)

M君の体が動きました。そして、机の横に立ち、続きを読み始めました。教室の
中の空気が、ホッとやさしくなりました。
安心したのかその後も続き、32人全員が読み終わりました。教科書をずっと見
ていた子どもも顔を上げ、にっこりとしていました。

『みんなよくがんばったね。自分から立って読むのはドキドキしたでしょう。ち
 ょっとしたことかもしれないけれど、勇気もいりますね。
 M君、君が1番勇気がいったかもしれないね。しばらく間があったのに、よく
 がんばって立ったね。素晴らしい』
そう言って、みんなの前でM君をほめました。

授業後の感想に、次のように書いていました。「学習も自分から」となっていく
ことでしょう。
【とてもドキドキしました。「し~ん」としている時に、自分から読むのは
 大変でした。1年から5年までで1番よかったと思います。読んだ時は、
 自分か?と思いました。がんばってとてもよかったです。】

◎指名なし音読である。教室の中に緊張感が走ります。
 私は、普通の人が2時間かけて指導することを半分の1時間で、と考えています。
 スピードです。全てにおいて子ども達に求めています。必ずリズムとテンポが生まれ、
 教室の空気が変わります。
 
 この後、指名なし発表、ディベートと進んでいくのである。
 強い学習者を育てる1つの方法である。

■平成16年4月12日
入学式後に、教室掲示物を作りました。
中身は、子ども達と相談したり、まかせたりするので何もないのですが。
・学級目標
・学期目標

学級目標を決めました。
1年間をとおしてみんなで達成すべき目標です。

「行為を鍛え合う 『加速』する学級」
「話を聴き合う あたたかい学級」
この2つです。
教室前面の黒板の上に掲示しました。

「行為を鍛え合う 『加速』する学級」は、生活面の目標です。
「行為」「鍛え合う」「加速」という言葉の意味を、みんなで確認しました。

「行為」とは些細な身のこなしも含むということ、
「鍛え合う」とは互いにけん制しあう注意も含むということ、
「加速」の説明では、
何事もすぐには変化はみられないかもしれないが、
努力を続けていたら必ずその成果があらわれるということを、
成長曲線をかいて理解させました。

「話を聴き合う あたたかい学級」は、学習面の目標です。
「聴く」と「聞く」の意味の違い、「あたたかい」とはどのような学習状態なのか
を考えさせました。

「聴く」ための体と頭はどのようになっているのか、
「あたたかい」という状態とは、
話し手と聞き手がどうなっているいることなのか、
今までの授業場面を思い出させて理解させました。

最後に、
目標が単なるスローガンで終わらないように具体的な事実を大切にしよう、
ということを確認しました。

「加速」し続ける「あたたかい」学級をめざして教室が動き始めました。


学級目標は年間目標です。つまり、1年間かけて達成するべき目標です。
私の学級では、その年間目標を達成するための学期ごとの目標も示します。

「話を聴き合う あたたかい学級」という年間目標を達成するために、
1学期の目標は、
・パッと反応する
・書いたら発表する
・「なぜ?」「例えば?」と考えながら聴く
という内容にしました。

教師や友達の指示や話に、「パッ」と反応できる子どもにしたいものです。
よく「作業が遅くて・・・」「学習に時間がかかって・・・」ということを耳にしますが、
その多くは取りかかりが遅いのです。
「教科書の○ページ、5行目を押さえなさい」
と指示されたらパッとそれができる子ども達にしたいのです。

子どもは基本的に書いたことしか発表できません。
逆に言えば、書いたことは発表できるのです。
ですから、まず、書かせます。そして、「恥ずかしい」という気持ちをなくすために、
「書いたら発表する」というルールを徹底させます。
全員が、発表できる学級にするのです。

話し方の指導は、いろいろと工夫されるようになってきました。
しかし、聞き方の指導は意外となされていません。
「姿勢よくしなさい」「黙って聞きなさい」といったしつけレベルの指導が中心です。このようなしつけ指導だけにならないで、思考力も鍛えるために、
「なぜ?」「例えば?」と考えながら人の話を聴くようにさせるのです。

◎学級目標は、学級の中心である。
大きく2つ決めた。
1つは、学習面。コミュニケーション能力を意識している。
もう1つは、生活面。具体的な行為を育てようと意識している。

そして、それぞれに学期目標を決めた。
学級目標=年間目標・長期の目標、学期目標=短期の目標である。学級づくりもステップをふんで行いたい。

・なくしたい言葉、あふれさせたい言葉
・読書記録
・世のため人のため
・似顔絵カード
です。1時間もかかりませんでした。
パッと行動するべきだと改めて思いました。

その後、先日100ショップ(今はもうこう言わないのでしょうか)で
買った、ミニホワイトボード、張り物の整理をしました。
今年のオススメは「防犯カメラ作動中」です。
自習時間にでも使おうか・・と考えています。ギャグで通用しますように・・・。

■平成16年4月13日
先週の「黄金の3日間」を少しおさらいしました。
いくら新年度で気合が入っているといっても、
それらは子どものことですから薄れるものです。
ということで、おさらいをしました。

思いつくままのところもありますが、
また、このままだと「誤解」をまねきそうな言葉もありますが・・・。
以下のような内容でした。

1.持てる力を外に出しなさい。
  できる力があるのにしないことが、1番悪い。やる気を行動で示す。
  例えば、立候補をする。手を挙げる。

2.話は1回で聞く。
  話は1回で聞く。話を聞かない人と一緒にいると時間の無駄である。

3.教室は、3つの条件がないといけない。
あ:助け合う、教え合う
い:競い合う。よいところを学び合う。
う:けん制しあう。注意し合う。
この3つのあるクラスをつくる。つまり、この3つができるように自分を成長させる。

4.叱られる時は次の3つ。
  あ: いじめをした時
  い: 命にかかわるような危ないことをした時
  う: 同じ失敗を3回くり返して、その原因を反省し改めようとしない時

5. その他
 ○ 恥ずかしいと思って何もしないことが恥ずかしいということ。
 ○ やる気のない人は、帰りなさい。
 ○ 大人は聞かなければ「すみません」とあやまる。
 ○ 自分の成長のためにがんばる。そうしていたら文句は言わない。
 ○ 手はビシッと天井に突き刺す。
 ○ やる気がある人だけ5年生の教室に行きます。うそつきにならないように。
 ○ 最初(黄金の3日間)をがんばれば、1年間は大丈夫です。
 ○ 自分からよいことを見つけてしましょう。
 ○ 机を少しでもとなりとはなさない。
 ○ 筆箱の中は、鉛筆5本、赤ペン、消しゴム、ミニ定規、(サインペン)
 ○ 自分から立って本を読みます。
 ○ 3秒間をあけると「ばか」に見えます。
 ○ 自習時間は、席を立ちません。
 ○ 腰をひいていすに座ります。
 ○ 1年生でも、5分間逆立ちの練習をすれば、1年間で25M歩けるようになる。
・・・・・・・・・・・
などでした。
3ヵ月後あたりには「効果」が出るかな。期待しています。

◎上の内容をA4の用紙に印刷をして、個人用と家庭用に各自2枚ずつ配った。
 個人用は机の上に糊で貼らせた。家庭用は部屋やトイレなどの目立つところに貼りなさいと話した。
 すぐにできるとは考えていない。意識の継続化である。

■平成16年4月15日
☆MM子ども日記
新学級がスタートして1週間が過ぎました。5年生らしい元気のよい子ども達
です。「黄金の3日間」という言葉があるぐらいですから、学期はじめのこの時
期は、何でも素直に吸収し成長してくれます。
 そんな子ども達とのことをいくつか・・・。
 今日は、「ことば」についてです。

☆ 「ことばを大切にしよう」
 子ども達は、「ことば」の力というものを感じていないようでした。なんとなく
言葉を口にしている、という感じでした。そんな子ども達に、

「『出す声』と『出る声』とは違います。みんなと生活しているのですから『出す
 声』で話しなさい。声を相手に届けるのです」
「『話す』と『しゃべる』は違います。相手を意識して『話す』のです。伝えるの
 ですから『話す』のです」
「『~しようと思う』と『~する』はどっちがやる気がありますか?本当にする気
 なら『~する』と言い切りなさい。言い切ればやる気も出てきます」
「学級は公の場です。『です・ます』と最後まで話しなさい。話は美しく終わりな
 さい」
「自分のことを『ちゃん』をつけて呼んだり、友達を呼び捨てで呼んだりするのは
 やめなさい。もうあなたは、半分大人です」
「あいさつをされて恥ずかしい人はいないでしょう。うれしいでしょう。だった
 ら相手もうれしい気持ちにさせてあげなさい。あいさつは自分からするのです」
「話は1回で聞くのです。相手を受けとめる思いやり、礼儀です」
「いらないことばをダラダラ言いません。無駄づかいをしない。必要なことを必
 要なだけ考えてつかうのです」
・・・・・・・・・・・・・・・

 自他の区別、公と私の区別はことばからと考え、その都度やり直しをさせてい
ます。自分の声や話を自分の耳で聞けるようになるまで続けていきます。言葉を
自覚的に使えるようにしたいのです。

 子ども達にとって初めてのことも多いので、毎日が、山本五十六の「やってみ
せ,言ってきかせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ。」の世界です。

私の話すことに、「なるほど」といった顔をして、子ども達はがんばっています。
「やさしく、厳しく、ビシビシと」の毎日です。

☆MM子ども日記
年間目標「行為を鍛え合う 『加速』する学級」の学期目標に、
「『よーし』、という考え方をしよう」というものがあります。

「よーし」とその反対の「えー」という2つの言葉の違いを考えさせました。

『<よーし>の後にはどんな言葉が続くでしょう』
このように聞くと、子どもたちは次のような言葉を考えました。
・がんばるぞ
・大丈夫だ
・負けないぞ
・やってみよう
・できるまでするぞ
・・・・・・
全て、+(プラス)の言葉です。

『では、<えー>の後にはどんな言葉が続くでしょう』
同じように発表させました。
・いやだなぁ
・したくない
・だめかもしれない
・またかぁ
・なぜしないといけないの
・・・・・・
どれも-(マイナス)の言葉です。

『あなたは、<よーし>と<えー>のどっちの言葉を大切にしたいですか』
最後にこのように聞きました。
全員が「よーし」に手を挙げました。
その瞬間、学級が少し「加速」したように感じました。

■平成16年4月16日
☆MM子ども日記
私にとって恒例(?)の「教室の中にあふれさせたい言葉、教室からなくしたい
言葉」のアンケートをとりました。

・いっしょに遊ぼう
・だいじょうぶ?
・ありがとう
・・・・・・・・

・気持ち悪い
・どっか行け
・お前と遊ばん
・・・・・・・・

鉛筆を握りしめ、時々にっこり笑ったり、悲しい顔をしたりしながら子ども達は
アンケート用紙に向かっていました。
今まであまり気にもしていなかった自分(達)の「言葉」について、アンケート
に答える中で子ども達は考えたようです・・・。

アンケート後の休み時間に、A君がやってきました。
「先生、これしていいいと?」
昨日描いていた似顔絵の続きをしていいのか、という質問でした。いつもの人な
つっこい笑顔で私の顔を見ながら言ったのです。
が、すぐに、
「先生、これをしてもいいのですか?」
といいなおしました。テレていたのでしょう。さっきとは少し違った笑顔でした。
『さすが!A君だな。よく気づいたね』
私の言葉に、うれしそうでした。
『いいよ。上手だね。もう少しだね』
と言うと、
「はい。ありがとうございました」
と小さく頭を下げて、自分の机に戻っていきました。

放課後、A君のアンケートを見ました。「あふれさせたい言葉」の中に、
「~です。~ます。」
と書いてありました。

◎言葉遣いに関しては、しつこく指導を繰り返します。
 ・人間関係を築き、つなぐことば
 ・思考を促す、深めることば
この両面から指導します。

■平成16年4月17日
「10日間で学んだこと」を作文に書かせました。
まず、全員起立をさせて、
「始業式からみなさんにたくさんのことを先生は話してきました。『話は1回で聞こ 
 う』とか『掃除は自分を成長させてもらっている学校に感謝するために行うのです』 とか・・・。
 先生が話したことで、『なるほど!そうだな!これは大切だ。キチンとしよう。自分 ががんばらないといけないことだ。』と思ったことを3つ思い浮かべなさい。
 思い浮かべた人は、最高の起立の姿勢をしましょう。」
と、指示しました。

全員がビシッとしたことを確認して、
「その3つを書きます。」
配っておいた紙に箇条書きで書かせました。

「その3つの中で、『うん、これが1番だ』というものの番号に赤丸をつけなさい。」
と絞り込ませました。
・命にかかわるような危ないことはしない
・「おはようございます」の「は」の字をはっきり言う
・手をビシッと挙げる
・恥ずかしがって何もしないことを恥ずかしいという
・すべきことをして、しないでもいいことをするのではない
・正しい日本語を使いなさい
・誰とでもいつでもどこででも仲良くします、できます、という学級に
・・・・・・・

1つに絞るという活動が、今までの10日間とこれからの自分をより深く見つめなおすことになったのでしょう。どの子も「考えて」いました。

「その赤丸をつけたことについて、今の自分が思うこと、考えることを書きましょう」
子ども達を見ながら、最後の指示を言いました。

○「相手の喜ぶ姿勢をする」
 ぼくは、「相手の喜ぶ姿勢をする」にしました。4年生までは、相手のことなど考えて席についていませんでした。ただ座っているだけでした。聞く時だけではなくて、話すときもよい姿勢にします。いとも相手がいるということを考えたいです。りっぱな人になりたいです。「がんばるぞ!」

○「自分から行動する」
 今までは、あまり人とは話しませんでした。今までみんなから「ふつうにしていたらあまり話さない人」と思われていたと思います。このままではいけないと思いました。
今は、自分からあいさつをしています。がんばって続けます。

「極微の成長を喜ぶ」という言葉を最後に紹介しました。
少しずつ少しずつ成長していく子ども達が楽しみです。

■平成16年4月18日
☆MM子ども日記
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◇教室にあふれさせたい言葉、教室からなくしたい言葉 - 2004-04-16
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はじめまして。
小学校の教師をしている菊池省三と申します。
本年度は、5年生を担任しています。「伸びたがりや」の32人の子
ども達と出会いました。

新学期が始まって10日過ぎました。ようやく子ども達も教室になれ
てきました。

元気な子ども達なだけに、教室の中で耳にする「言葉」が気になりま
す。「美しい日本語の使い手になって欲しい」と願って、「教室にあ
ふれさせたい言葉、教室からなくしたい言葉」というアンケートをお
こないました。

・ありがとう
・おめでとう
・・・・・・・

・あっち行け
・知らんよ
・・・・・・・

子ども達は、自分(達)の「普段」を見つめ直していました。

その結果は・・・明日のこの日記で・・・。

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◇人との豊かな関係をつくる言葉を自分から - 2004-04-17
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5年生の子ども達にアンケートをとりました。
「教室にあふれさせたい言葉、教室からなくしたい言葉」
という内容です。

「あふれさせたい言葉」
第1位・・『ありがとう』
第2位・・『おはよう』
第3位・・『一緒に遊ぼう』

「なくしたい言葉」
第1位・・『ばか』
第2位・・『うるさい』
第3位・・『どっか行け』

こんな結果がでました。
言葉というものは、自分と人との間の関係をつくるものだと思います
。知識というよりも、そのための行動のひとつだと思います。

美しい日本語の使い手になれるように、日々の教室での指導を充実さ
せたいと思っています。

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◇「言葉」でつながる子ども達に - 2004-04-18
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子ども達の考える「教室にあふれさせたい言葉」の中に、
少数でしたが素敵な言葉を見つけました。
私自身も「大切にしたいなぁ」と強く感じた言葉です。

☆「どういたしまして」
 この言葉を自然に使える子どもはあまりいないでしょう。
 私の記憶には・・いなかったような気さえします・・。
 自分から何かを人にしてあげるということはあるでしょ 
 う。そのお返しとして言われるお礼に対して、この言葉を
 自然に口にできる子どもに育ててみたいものです。

☆「だめだよ」
 先日聞いた尊敬する先生のお話の中に、
 「教室とは、ア:教え合うところ、イ:競い合うところ、
  ウ:牽制し合うところ」
 という内容がありました。
 この言葉は、ウの牽制し合う=お互いに伸び合うために注
 意し合う、ということと関係しています。
 この言葉を大事にし合う教室を創りたいと思います。

☆「また明日」
 子どもらしい無邪気な感じがして好きです。1日が終わり
 教室から帰る時に、笑顔でこう言い合える子供どうしの人
 間関係を築いていかなければならないと考えます。

言葉は、口先だけのものでも、文字づらだけのものでもな
く、自分の全てを出してかかわるものであるということを、
子ども達と考えていきたいと思います。

◇このころから下のワークシートを使い「正義・勇気度チェック」を定期的に行う。

       正義・勇気度チェック
 

              年   組  名前
 



 



 

 次の質問に○か×で答えよう。
 
1.友だちがいじめられているのを助けたことがある。…………………………( )
 
2.忘れ物をしたり、宿題忘れをしたら、必ず自分から先生に言う。…………( )
 
3.先生や友だちに毎日元気にあいさつをしている。……………………………( )
 
4.いろんな役に進んで立候補している。…………………………………………( )
 
5.先生が見ていなくてもしっかり掃除をしている。……………………………( )
 
6.まちがいをおそれず、自分の考えを発表している。…………………………( )
 
7.人の悪口は言わない。……………………………………………………………( )
 
8.校庭の遊具を小さい子にゆずったことがある。………………………………( )
 
9.弱い子や気の合わない子をいじめたり仲間はずれにしたりしない。………( )
 
10.話し合いの時には進んでアイデアを出すようにしている。…………………( )
 
11.困っている子がいたら進んで助けるようにしている。………………………( )
 
12.ゲームなどで負けたときに、文句を言わず、負けを素直に認める。………( )
 
13.家で手伝いや仕事をしている。…………………………………………………( )
 
14.みんなが悪いことを言ったりやったりしていても、惑わされずに
 正しいことを言って注意する。 …………………………………………………( )
 
15.ひそひそ話をしたり、陰口を言ったりしない。………………………………( )
 
16.失敗したり困ったりしても、泣いたりいじけたりしない。…………………( )
 
17.校歌をいつも大きな声で歌っている。…………………………………………( )
 
18.みんなの前でも堂々と大きな声で発表している。……………………………( )
 
19.ちょっとのことで悩んだりへこたれたりしない。……………………………( )
 
20.「世のため・人のため」になることを進んでしている。……………………( )
     君の正義・勇気度はどうだったか
 

              年   組  名前
 



 



 

 ○は何個ありましたか。数えてみよう。

  自分の○の数
 


 


 


 

 
●16~20個だった人
 
      →【A】 
         すばらしいです。正義・勇気を貫こう。
 
 
●11~15個だった人
 
      →【B】
     なかなかよいです。君のよさをもっと伸ばそう。
 
 
● 6~10個だった人
 
      →【C】
     もう少しです。思ったら行動で示そう。
 
 
● 0~ 5個だった人
 
      →【D】
     今までの自分を変えるために一歩踏み出そう。   
 正義・勇気度チェックをした感想を書こう。


 
     

 
     


 









 

       正義・勇気度を高めるぞ
 

              年   組  名前
 



 



 

 
1.自信があるのは何番ですか。3つ選んで書こう。



 



 



 



 



 



 



 

 
2.そうしている自分をどう思いますか。そうしている時どんな気持ちですか。



 



 



 



 



 




 



 



 



 



 




 



 



 



 



 

 
3.しっかりやらなくてはいけないと思うのは何番ですか。3つ選んで書こう。



 



 



 



 



 



 



 

 
4.その3つをまず1か月努力しよう。1ヶ月後の自分はどうなっているか書こう。








 








 

 
5.決意を一言


 


 



<ここまでのまとめ>
・学年、学級を統率することを第1とする。
・自分から考え、行動する・学ぶ子どもを育つ布石を打つ。
・全体=公の考え方と動きを教える。

・子ども達に「意見」を表明させる場を常に作る。
 「するのか、しないのか」「何のためにするのか」・・・・と問い続ける。
 黙ったまま、話を聞くだけ、という状態にしない。
・裏カリキュラムを作らない
 言ったことは守らせる。教師も守る。基本的には例外は作らない。
 指導した「言葉どおり」のことをさせる。できるまでやらせる。
 例:「3分でしなさい」と言ったのであれば、3分間で時間を切る。延ばしたり、途中で変更したりしない


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